神楽坂+おとなの婚活流儀

おめでとうインタビュー!

2013.06.09 <第4回>円満夫婦に聞いてみた!~逆境をいかに楽しめるか~

お待たせしました、円満夫婦連載の第4回目です。

今回ご登場いただくのは、結婚18年目のDさんご夫妻。
どちらも50代で子どもはナシ

奥さんのさんはバツイチでの再婚で、ご主人のさんは年下というカップルですが、いつお会いしても本当に仲がいいのです。

結婚式にはあの染の介・染め太郎さんに来てもらったとか!

結婚式にはあの染の介・染め太郎さんが!!

インテリアデザイナーのHさんと、グラフィックデザイナーで写真作家でもあるさんが住んでいるのは都心の趣ある古いマンション。二人がひとつひとつ買い集めたと思われる家具や雑貨がしっくりなじんだ居心地のいい空間で取材しました。

お店のようなインテリア

お店のようなインテリア

——Hさんは結婚するまで名古屋在住で、Sさんは東京が地元なんですよね。どこで知り合ったんですか?

H 私が名古屋のハウジングメーカーで働いていた頃、彼が東京からカタログのプレゼンに来て一緒に仕事することになったんです。第一印象でビビッときたわけじゃないけど、デザインに対する美意識から、金銭感覚、趣味嗜好にいたるまで、話せば話すほど価値観が似ていることがわかって話題が尽きなくて。

S 俺もHとは気が合うなぁと思って、一緒にやってた仕事が終わるとHと会えなくなるのが名残惜しかったから、「もっと会おうよ」と連絡をとりあうようになりました。遠距離だったから会うのはせいぜい月に1〜2回。でもあの頃はお互い忙しかったから、そのぐらいのペースが良かったのかも。最初のデートは確かコンサートに行ったんだよね?

H そうそう。お坊さんが集団でゴスペルを歌うような変わったコンサートで、地味だったよねぇ(笑)。

お坊さんのコンサート?

お坊さんのコンサート?

——第一印象でピンとこなくても、話せば話すほど相手のいいところが見えてきたわけですね遠距離恋愛は3年間ぐらいだったということですが、結婚へと踏み切ったきっかけは?

S 俺は鎌倉が好きで、いつか住んでみたいという夢があったんです。それでたまたまHと鎌倉を散歩していたとき古くていい感じの日本家屋の物件をみつけて、彼女も面白がってくれたので、「結婚してここに住もうか?」と。すぐに名古屋から呼び寄せました。

鎌倉が似合うお二人

鎌倉が似合うお二人

H 私はバツイチだし仕事が好きだったから、結婚は積極的には考えてなかったんですよ。でもSは「たとえ、俺が大金持ちになっても、仕事は一生続けてくれ」という考えで、それが気楽でよかった。私、名古屋の会社では変わり者扱いされてましたから。仕事に対するこだわりが強すぎて。

S こっちからすれば、「なかなかいいセンスしてるな」という感じ。結婚が決まってHの実家に挨拶に行ったとき、「うちの娘、変わってますけどええんやろか?」って言われて、「自分も変わってますから」って返したぐらいで(笑)。でもHは名古屋にいたからそう思われただけで、東京では全然普通ですよ。ただバツイチだってことは結婚するまで言わなかったよね? 俺は100%気にしてないのに。

まぁ、そこはね。言うタイミングが難しかったというか。

タイミング、難しいですよね

タイミング、難しいですよね

——いつもお互いをリスペクトしているDさん夫妻。
結婚前からずっとそんな感じだったんですね。
18年間の結婚生活で不安定な時期なんてなかったですか

S Hに対しては特にないけど、フリーランスとして7割仕事を請け負っていた会社が倒産して、そこから買わされた株も紙切れになって、えらい目にあったことはあります。

H あった、あった! 金銭的な問題ね。私もその頃、病気したりして、不動産屋でバイトしながら食いつないでました。でもあれを逆にチャンスととらえて、今住んでいるこのマンションを買ったんだよね。

S そうそう、高い賃料払うよりはローンのほうが安いし、資産にもなると思って。Hがバイトしてた不動産屋が、お金貸してくれる銀行も探してくれたんです。それにあのとき仕事がなくなって暇になったから写真をはじめて、それが今の仕事にもつながっている。倒産した会社に感謝ですよ(笑)。

感謝なんてなかなか言えないです

感謝なんてなかなか言えないです

H 逆境をいかに楽しめるか?というのは、私たち二人に共通する考え方かもしれない。世の中、安定を求める人が多いけど、今はサラリーマンだって明日どうなるかわからない時代でしょう。だったら不安定な状況を少しでも楽しんだほうが幸せだと思う。恋愛も人生もマニュアルなんてないのに、人生設計的なものに縛られている人が多いなぁと感じます。

S Hのそういう考え方がすごく頼もしくて心強いし、ありがたいんですよね。俺はもともと根が暗くて、打たれ弱くて、おまけに褒められないとダメなタイプなので(笑)、どれだけHに救われていることか。それぐらいHのことを信頼してるし、俺の作品の一番の理解者でもあるんです

H よく言うんですけど、会社でもなんでもイヤならやめちゃえばいいと思うんです。なんとでもなるから。ただ“縁”だけは大事にしたほうがいい。私たちがいつも助けられてきたのも、ほとんど人の縁のおかげです。仕事でも人間関係でも、イヤなところばかり見ていても何もはじまらないんですよ。逆に100のうち99嫌いでも、1つのいいところだけ見るようにすると縁がとぎれない。それは本当に不思議なほど実感しています。

ご主人はカトリック

カトリックだそうです

——いい話ですね〜。性格はさっぱりしているけどしっかり者でポジティブで、ちゃんと現実もわきまえている。結婚に夢や理想ばかり求めがちな人には、ぜひ見習ってほしいものです。

最後にSさんは、「俺はせっかちでわがままだから、よくHは18年もついてきてくれたなぁと思う。俺が先に死んでもHは生きていけると思うけど、Hが先に死んだら俺も死んじゃう」とベタ惚れっぷりをポロリ。そんなSさんを、「また言ってるよ〜」と笑って受け流していたHさんも、と〜っても幸せそうでした。

ご主人の素敵な作品

これまた素敵なご主人の作品