円満夫婦第9回目は、ジュエリーデザイナーAさん(50)の登場です。
残念ながらこの日、投資家のご主人Nさん(59)は山梨のご自宅に。
世話オバが訪ねたのは、Aさんがサロン兼別邸として使用している
都心のマンションでした。
都会と田舎、両方の暮らしを楽しんでいるお二人。
アンティークを生かしたインテリアのセンスも抜群で、
敷地850坪に建つ山梨のログハウスには雑誌が取材に
来たこともあるそうです。
住まいにも生き方にもこだわりを感じるAさんに
さっそくお話を伺いました!
——ご主人とのなれそめは?
二人とも外資系の証券会社に勤めていたんです。
そこの同じフロアにいたのが主人。彼は銀行から
ヘッドハンティングされた人で、私は別の部署で
アシスタントをしていました。
最初は食事に誘われて、そのときはお互い他に
付き合ってる人がいたんですが、
2年ぐらい付き合って結婚することに。
別れた彼は貧乏な彫刻家だったから、私が食べさせなくちゃ!
と思って当時給料がよかった外資系に入ったんですけどね。
——なんと! Nさんを選んだ決め手は?
主人は東大法学部を出ていてすごく頭がいいんですけど、
右脳と左脳の両方が発達していて花を愛でる感性も
あるんですよ。頭がよくても芸術的なものの魅力が
わかる人ってなかなかいないので、そこがかっこいいなと思って。
——しかも9歳も上だと“大人の男”という印象ですよね。
そうそう、出会ったのが25歳ですからね。
「もっと自由になれよ」とか「自分を脱ぎ捨てろ」とか
言われて、価値観がガラッと変わりました。
当時は親に言われた通り、社会に言われた通りに
生きて頭ガチガチで不自由だったけど、
いまやメンタル面ではすごく自由になりました。
二人に共通するのは価値観が反体制派ということでもあります。
——AさんにないものをNさんは持ってたわけですね。
その後すぐに会社を辞めたAさんは、画廊勤めを経て、
大学時代にやっていたジュエリーメイクを本格的に開始。
田舎暮らしを提案したのはご主人で、Aさんはどちらでも
よかったけど山梨に理想の物件が見つかると即断即決。
家のリフォームも畑仕事も料理もAさんは苦にならない
どころか、むしろ楽しんでいる様子です。
その行動力とバイタリティは、女も惚れ惚れするほど(!?)
主人も会社を辞めてフリーランスになったので、
ついでに650坪の古民家を買ったこともあるんですが、
さすがにそっちは手入れが大変で4年で手離しました。
でもフランスでも年収数百万円の夫婦が
当たり前のようにセカンドハウスを持っているでしょう?
東京と田舎の二重生活、もっとみなさん
楽しめばいいのにって思います。
私、最近、油絵も本格的にはじめたんですけど、
田舎に住まなければ絶対にやらなかったと思う。
だから田舎暮らしといえども結構忙しくて、
効率的な時間管理術も考え出したので、
どこかで講演したいなって思っているぐらい。
——そのように次々に新しいことに挑戦する
Aさんのことを、ご主人も認めて応援して
くれているのだとか。
結婚23年目で夫婦の危機とかなかったんですか?
それはやっぱりいろいろありましたよ。
お互いはらわたをえぐり出すようなケンカを
何万回とやってますから。
でも夫婦を続けるならそれやんなきゃムリ。
私だって本当は穏やかにいきたいけど、
お互いの“底”がわかるのはいいことです。
人間誰しもイヤなところはあるわけだから、
いい子ぶって我慢などしないで、さらけ出さないと、、、。
~と思うわけです(笑)
紆余曲折あっても結局別れないのは、やっぱり
お互い好きだからでしょうね。
私は彼のおかげで経済的には恵まれていますが、
打算で結婚したわけじゃないですから。
計算して人生うまくいくはずがないですよ。
——共通の友人には、
「NさんはAちゃんのことが好きで好きで
しょうがないんだから」ってよく言われるそうです。
確かに、Aさんのように奔放で常に成長し続ける女性と
一緒にいると刺激的で面白そう。
見た目は女らしいのに男に寄りかからないところも(?)、
男心をくすぐるのかもしれません。
私は人のいうことは聞かないし、
人と同じことをしたいとも思わないし、
すべて自分で考えて判断するから、
そういうところを彼は認めてくれてるんだ
と思いますね。
だから私も彼に、「男は仕事しなくなって
魅力なくなったらおしまいだからね」って言ってるんです。
夫婦は、お互い新しいものを求めて
いく姿を確認し合う関係がいいですよ。
ふーむ、なかなか奥が深いです。
Aさんがデザインするジュエリーは、どれも
ぱっと目をひく存在感のあるものばかり。
作り手の人柄があらわれている作品が、
多くの顧客を魅了しているのも納得のお話でした!
効率的な時間管理術、世話オバでぜひ講演して下さいね~~