スタッフSです。
震災から1年あまり、南三陸町に初ボランティアに行ってきました。
金曜夜中1時出発、土曜日作業、夜現地出発、
日曜朝に帰ってくるという弾丸ツアー。
高速の途中から路面は凍結、路肩には雪が積もっています。
ほとんど眠れない車中、早朝ぼんやりと外を眺めるとすでに南三陸町に
入っています。
更地になってしまった向こうに見えるのは映像で何度も目にした防災対策庁舎
と志津川病院。
町は一見片付いているように見えますが、少し遠くに目をやるとあちこちに
瓦礫の山が見えます。
8時過ぎ、災害ボランティアセンターのあるベイサイドアリーナに到着。
続々とボランティアの車が到着しはじめ、作業着に着替える人が増えてきます。
当日の作業は業業支援のひとつ、ワカメの剪定。
車で海に近い作業小屋へ。
おそらく既存の小屋は流されてしまったらしく、テントです。
仕事は収穫後、茹でたワカメの頭(茎)と先端(しっぽ)を
カッターで切るというもの。
テントの中には作業する長机と山盛りのワカメとコンテナ。
奥には地元のおばちゃんたちが作業をしています。
おじちゃんが「この頭と先っぽをな、切るだけだべ」
と説明してくれるのだけど、最初は頭と先すらわかりません。
茎が白っぽく変色していたり、穴があいていたりする部分もカットするのも
どの程度がだめだったりそのままでいいのかも
判断がつかず、みんなそれぞれおじちゃんに聞きにいきます。
そのたび、おじちゃんはいやな顔もせず、
「これならだいじょぶだいじょぶ」「いんや、これはだめだな」
とか本当にやさしく教えてくれます。
それにしても目の前のワカメったらつやつやして
いい香りがして本当においしそう。
今年はやわらかく、すばらしくできがいいらしいです。
お昼ごはんは外で。
高速のサービスエリアで買ったおにぎりやサンドイウィッチも
晴れてきた青空の海辺ではごちそうです。
そしておじちゃんがくれた、とりたてのめかぶが最高においしいのです。
湾になったこの静かな港に1年前にあんなに恐ろしい津波がきたとは
とても信じられないようなのどかな光景。
それでも海を背に後ろを向くと土台だけが残った家の跡など、爪痕が残っています。
午前中はおそるおそる作業していた我々ボランティアスタッフも
午後になるとすっかり手つきも慣れ
どんどん早くなります。
雑談していても手は休めず、カッターでさくさく。
だけど、慣れて乗ってきた頃に作業は終了。
まだまだできるんだけど・・・・、みんなそう思ったけど仕方ないですね。
果たして役にたったんだろうか・・・・、杞憂する私たちにおじちゃんたちは
みんなに山のような茎ワカメをひと袋づつお土産にくれ
「また来年も来てくんろ。今度はお店もできてっぺし」と潮に焼けた笑顔で
見送ってくれました。
なんだかボランティアに行ったのに逆に
お世話になってしまいました・・・・。
でも自分のできる範囲、ペースでよいので続けるのが大事、
また機会を作って行きたいと思います。